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転職先はブラック企業第68話「ブラック企業社員の法律相談」

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ブラック企業社員の法律相談

弁護士バッジが輝いている。僕の目の前にいらっしゃるのは、まさにそう、弁護士先生。

 

グレーのスーツに、僕より少し高いくらいの背丈。柔和で優しそうな方だったのだが、僕の心境はというと、

 

うわあ……

 

だった。震えていた。

 

何も弁護士の方に不安を感じただとか、嫌な気分になったとかそういうことではない。迫力に震えているのだ。

 

会社に向けた闘志はなんというか、風前の灯レベルに消えそうだった。法律という、巨大で質量感のある矛をもたげた関羽雲長を目の前にしているのだ。僕の思考は黄巾の一兵卒よろしくスッパリキッパリ停止した。

 

こんにちは、お話は聞いていますよ。弁護士の長澤です。

 

名刺をいただく。これはすごい。弁護士の名刺だ。すごい法律パワーが込められている感じがする。

 

永遠に感じられそうな自己紹介のあと、僕は席につき、現状を報告した。

 

月500時間の労働はなかなかですねえ……。十分に悪質です。しかも、社員に対して罵詈雑言ときている。それは体も心も壊しますね。

 

長澤先生は最初は恐ろしかったが、彼のやわらかなカウンセリングに僕は次第に心を許し、全てをぶちまけていった。

 

大丈夫、そこまで無茶な働き方をさせることは、法律が許しません。それに、他の社員の方も、同様に苦しんでいるのでしょう。彼らを救うためにも、がんばりましょう。

 

先生は僕の肩をたたいてくれ、笑いかけてくれた。

 

今までやられた分、やり返しましょうよ。

 

救われた。僕は緊張が一気にほぐれた感じがしたのと、仲間が増えた感じがして、温泉にでも入ったように心が安らいだ。

 

面談の最後に、長澤先生は次にやるべきことの指示をくれた。やることは一つ。今まで超過時間働いてきた勤務時間を証明できるものを、なんでもいいからまとめること。

 

一緒に頑張りましょう。

 

見送ってくれる長澤先生の笑顔を背中に、僕はエレベーターを降りていった。