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転職先はブラック企業第53話「婆あチャンの咆哮」

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今、レクサス・マーケティングの経営陣が直接頭脳警察のオフィスに来ているらしい。しかも、しばしばうちに直接連絡をつけてきたチャン一人だけではない、4人もである。よくもまあ、大勢で訪ねてきたものだ……

 

地下鉄丸の内線に駆け込み、頭脳警察のオフィスをめざす。生ぬるい暖房で頭がぼうっとする。

 

青井は空いている席にすっと腰を下ろすと、猛烈な速度でキーボードを叩き始めた。目はかっと見開かれ、指は止まることがない。まるで5本の指が独立した思考をもちながら動いているようだ。さすがは外資コンサル出身の鉄人。僕は2徹後の青井にさえ、集中力で勝てる気がしない。

 

そのとき、青井がいきなり立ち上がった。

 

「戻るぞ」

 

「はい?」

 

「レクサス・マーケティングと後藤さんたちで、うちに直接来るらしいよ。うちの経営陣の顔が見たいとかでね」

 

「マジすか」

 

こうして僕らは乗りかけた丸ノ内線で、ふたたび自社オフィスに逆戻り。なんて日だ。

 

オフィスに到着してからミーティングルームを確保し、PCを開いて待つ。

 

嫌な雰囲気だ。わざわざうちに来るということは、今回のトラブルの元凶がうちとして見られている可能性が高い。なぜそうなる。後藤には、中谷の返事が遅いせいで納期がギリギリになったことも、納品後の修正は別途料金が必要なことも伝えているというのに。おかしい。

 

親子3代でクライアントが乗り込んでくる悪夢

30分ほど待つと、頭脳警察とレクサス・マーケティングの面々がぞろぞろと入ってきた。頭脳警察の方からは後藤と中谷。レクサスの方は、バアチャン、オバチャン、ニイチャン、ニイチャン。対するうちは、青井と僕。

 

通常のアポでは5人程度で使う、うちの会議室はいっぱいになった。無邪気な子供に乱獲されて虫かごの中でひしめくアブラゼミのように、僕らは名刺交換をした。僕はこの作業だけで夏のように汗をかいた。

 

4人は全員チャンの名字だった。とすると、こいつら全員血縁者か。まさか、3代でわざわざ乗り込んできたというのか。会長の婆あチャン、社長のおばチャン、そして専務の兄チャンが2人。

 

各々が席につくと、後藤が口を開く。

 

「突然お邪魔する運びとなってしまいましたが、どうしても御社に直接、制作の段取りについて確認したいと……」

 

名刺交換で会長だと名乗った婆あチャンが遮る。ラッパーの黒人みたいに貴金属をジャラ付けしていて、スモークのかかった金のメガネ。髪は紫。顔は控えめにいってブルドックのような迫力。

 

「後藤さん、もういいです。私が直接話します。私たちはね、頭脳警察のことも、もう信用していないんだから」

 

はあ、と後藤が縮こまる。

 

「私たちはね、あまりにも案件の進みが遅いからね、わざわざ今日やってきました。仙台からですよ。朝早くから新幹線に乗って。そうでないとね、もう、気分がおさまらないんだから」

 

ブルドックの婆あチャンは、最初から戦闘モードに入っていた。会議室の重力が2倍になって、部屋が狭くなったように感じる。重い。

 

「今回はね、意味不明。なんでこんなになっても案件が納品されないのか。おかしすぎる。もうね、私達も堪忍袋の緒が切れました」

 

納品されていない、だと。バカな。僕らは確かに納品したはずだ。おかしい。認識が違う。何が起こっているんだ。頭脳警察とレクサス・マーケティングの間では、どんな説明がなされていたんだ。

 

僕は中谷を見た。ひたすらにうつむいている。僕の視線に気づくと目が泳ぐ。こいつか。性懲りもなく。

 

理由はどうあれ、こうも認識のズレがあるなら制作会社に乗り込んで文句の一つでも言ってやろうという気になるものだろう。今回の経緯が読めた。なら、今回は後藤の手前、中谷に若干のフォローも入れつつ状況を報告しよう。中谷は公開処刑だ。ざまあ見やがれ。

 

婆あチャンは一通り吠えまくった後、兄チャンにたしなめられて席についた。真っ赤になった顔に、振り乱す紫の髪。ジャラリと鳴る貴金属。ブルドックというよりもゴブリンかもしれない。

 

「うちの会長がすみませんでした。しかしながら、状況の説明はお願いしたいと考えておりますが、よろしくお願いしてもよろしいでしょうか」

 

僕がわかりました、と言って立ち上がろうとしたその時。

 

「この件については私からお話します」

 

と、突然青井が立ち上がった。そして、表情を変えずにしゃべる彼の言葉を聞いて、僕は叫びそうになった。

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