もちもち動物園

楽しい働き方研究ブログ。第二新卒転職→ブラック企業勤務→宮崎移住。

転職先はブラック企業第52話「たこ焼きくらいまともに食わせろ」

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メールを送って中谷から即レスが来ると思ったが、そんなことはなく、僕はすぐさま仕事に没頭した。

 

今日のミッションは尻拭い案件。上司が放置していたクライアントが火を吹き、なぜか僕がその尻拭いとしてアポに行ってくることになった。6月にサイトを構築して納品するはずだった案件が、12月の今でもまだ終わってない。そして、放置しすぎていたから次に何をどうすればいいかもわからない。クライアントの要望もわかっていない。だから、僕が頭を下げに行って要望を聞き直しに行く。そんなこともブラック企業ならよくあるのだ。

 

僕だったらブチ切れるような対応をしていたにも関わらず、クライアントは予想以上に優しかった。アポの途中でディズニーランドのおみやげをくれたり、社員の方に絡ませてくれたりした。


クライアントの優しさに包まれてほわほわした気分の中、渋谷の東口方面、ヒカリエのそばにあった銀だこに寄る。銀だこといえば、カリカリモフモフの生地とプリプリのタコである。粉モンを食べたいなあと思った時、食感を求めるならばねぎ焼きでなく、お好み焼きでもイカ焼きでもなく、たこ焼きなのだ(しかし、本当に好きなのは梅田の花だこである)

至福のたこ焼きタイムを味わっていると、中谷からの電話。かわいそうだから出てやることにする。

 

「はい、しょうきちですが」

 

「しょうきちさん、何でCCに後藤さんが入っているんですか。何の関係もないじゃないですか」

 

開口一番、中谷は切迫した口調でまくしたてた。

 

 「確かに、直接の関係はないかもしれません。ですが、今回は当社に直接連絡が来るハードクレームなのです。統括している後藤さんには、状況を共有するのが筋かと思います」

 

「だからといって、あー、後藤さんはないでしょう。後藤さんは」

 

おそらく自分のミスが発覚するのを恐れているのだろう。ざまあないぜ。

 

「先程申し上げたとおり、当社はレクサス・マーケティングから直接お叱りの言葉を頂きました。しかし、当社は案件を頭脳警察社からご紹介いただいている身です。当社とレクサス様の契約は、すべて御社とクライアントの関係性があればこそ。その関係性がゆらぎそうなリスクがあるならば、共有するのは自然ではないでしょうか。それとも、申し上げてはいけない何かが書いてありましたか」

 

「そ、そういうわけでは……ないですけどね、こっちは礼儀の話をしているんですよ」

 

「そうですか。では、どんな礼儀でしょうか」

 

「……詳しいことはまた今度お話します」

 

と言って電話は切れた。ガチャ切りから少しは成長したらしい。僕は少し冷えたたこ焼きを2つまとめて頬張り、店を出た。

 

帰社すると、副社長の青いが話しかけてくる。

 

「しょうきち、アポだ。俺も行く」

 

「わかりました。急ですね……どこですか?」

 

「頭脳警察だ。緊急だ」