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もちもち動物園

楽しい働き方研究ブログ。第二新卒転職→ブラック企業勤務→宮崎移住。

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「俺は仕事で迷っているけど、風俗嬢はどうよ?」風俗嬢のホンネを読んで考えた

俺は仕事で迷っているけど、風俗嬢はどうよ?

仕事にプライドを持てる。これは、とても素敵なことであると同時に難しいことだ。

実際、僕も目を輝かせて入った新卒のベンチャーに9ヶ月目で見切りをつけた。

そのときのECの仕事にまだ魅力を感じているかというと、正直ほとんどない。

 

いわゆる普通のサラリーマンとして、僕は仕事にプライドを持つことができなかった。だから、仕事を変えようとしている。

そんな中、風俗嬢がどんな職業観、プライドを持っているかが非常に気になった。

 

大きく違う。

インセンティブ制である。しかも、相手は面倒な客(それこそ文中にもあるが、本番強要など)がたくさんいる。半端な営業職よりも、ストレスフルな営業職だと思う。

そんな中、「やっぱりこの仕事がいい」と心から思えるとしたら、風俗という仕事の何が彼女らを惹きつけているのか。いや、逆に、彼女たちの何が風俗という仕事で活躍できる要素となっているのだろうか。

 

 

風俗嬢のホンネ

風俗嬢のホンネ

 

 

そこで、風俗嬢のホンネという本を読んでみることにした。

彼女たちが仕事に抱いている覚悟、プライドなどから自分に共感できることを見つけ出し、ヒントにしたいと思ったからだ。

STD防止普及活動にのめりこむ、風俗嬢兼ライター(30代)

 

本書は様々な経緯で風俗嬢になることになった女性を11人紹介している。

中でも「これは」と思ったのは、風俗嬢ライター「ミヤコ」の話だ。

 

ミヤコは風俗嬢として仕事をする傍ら、ライターとしても仕事をしている。

そんな中、性風俗とは切っても切り離せぬ「病気」を防止するため、STD予防のパンフレットなどを作成する活動をはじめた。風俗という仕事が本当に大好きで、本来は業界がかぶらねばならない責任を自ら担っているのだ。

 

やっぱりこの業界のことを考えて……。私は風俗という仕事が好きなんですよ。現役からは引退しつつあるんですけど、凄く好きで、病気のことはとても重要だと思っているんです。それは女の子にとっても、お客さんにとっても、お店にとっても重要だと思うんですけど、なかなかSTDの情報は行き渡りません。

 

彼女の行動力はすごい。

エイズ予防財団から補助金を引っ張ってきたり、専門家に対して助言をもらうべくアポイントメントを申し込んだり。行動派なのだ。

 

本書に書かれている例は、風俗客向けの性病予防パンフレットだった。これは印刷費をエイズ予防財団から受け取っているという。

性感染症予防の目的があるとはいえ、客に読んでもらう媒体なのだから、快楽追求の面が多いそうだ。お堅いエイズ予防財団が動いたのには驚かせられる。

 

愛すれば愛される

いま、「元を取らねば損」というと言わせんばかりのお客さんが増えているそうな。乱暴、不潔、心ない言葉。そうした手荒な扱いを受けるがために、心を荒廃させる風俗嬢が多いという。

 

病気の予防もそこにつながっていて、「俺は客なのに、なんで嬢の病気の安全を考えて検査しなければならないんだ」という意識がある。そこに「良いサービスをしてもらうには、相手のことを考える良い客でなければ」という意識を芽生えさせたい。これがミヤコの考えるSTD予防の方法だ。

 

風俗嬢はサービスする側だから一生懸命やるのは当たり前だと思うんですけど、サービスというのは、女の子が凄く頑張った上で、お客さんにも協力してもらって一緒に作る時間でもあると思うんですよ。「それさえやってくれたらもう、頑張りますよ!」みたいな。

女の子が身だしなみを整えることなんかはもちろん当たり前で、お客さんもそういう気遣いがあればエロいハードルを超えられる、というのは絶対あると思うんですよね。お客さんのちょっとした行動ひとつで「キュン」ってなることもあるし。

お客さん文化っていうのが薄れちゃってるかもしれないですね。なんか古い話ですけど、遊郭のような遊び方がなくなって、全体的に世知辛い世の中になってるのかなって。

 

だから、裏表紙のフレーズには「愛すれば愛される」との表記をいれる。

 

社会的肯定感をさがす

なぜ、社会活動を行うのか。多くの風俗嬢に会ってきた吉岡氏(本書の筆者)にしても、これだけやる風俗嬢はいないと言わせる。

 

講演活動などもはじめ、セックスワーカーの体験談を医療関係の人に話すこともあるらしい。今までしてきたことが、社会的に貢献度があることが嬉しいという。

 

東京にまでベッドの講習を受けにいく風俗嬢も

ミヤコの他にも様々な風俗嬢が登場しているが、彼女らに共通するプロフェッショナルな行動には驚かせられる。なんと、東京にまで、ソープランドの講習をうけにいったりするなんて。

「営業職のセミナーを遠方からでも受けに行く意欲」のような、意識の高さを感じる。

本当に、努力している人は努力しているんだなあ。

 

以前、転職エージェントと話したことを思い出した。

資格の話を面接で話すことについて、注意されたのだ。

 

「努力はみんなしている。だから、資格をとったことを自慢気にいうのはナンセンスだ。弁護士や会計士など、士系の資格ならそれだけで食えるが、たいていは資格だけで食えない。資格で得た知識をツールとして使い、何ができるかが重要だ」

 

自分は学歴や資格に対して目を輝かせるタイプ。だから、資格取得に精一杯になるし、それを見てみて!と言わんばかりに披露しようとする癖がある。しかし、それは社会人として本質的ではない。

 

自分は資格で魅せるべきではない。自分は仕事で魅せるべきである。

 

本書の風俗嬢の彼女らは、見事に仕事で魅せようと努力している。その努力も見事。そこがすごい。