もちもち動物園

楽しい働き方研究ブログ。第二新卒転職→ブラック企業勤務→宮崎移住。

コンセプトを変えたら即、テレビ取材、ビジコン決勝出場を勝ち取れた話

コンセプトが重要、みたいな話はよくありますよね。

 

でも、「コンセプトって変えても効果が出るの?」「結局営業力じゃないの?」みたいな話ってよく出ると思います。

 

僕はレボキッズ・プロダクションという塾からマーケティング周りの仕事をもらっているのですが、

 

ちょうど今回、塾のコンセプトを変更したことでメディア対応やプレゼン力向上に繋がったことをお話します。

 

もともとのコンセプトはこんな感じでした。

色々書いてあるのですが、

IT×完全把握型個別指導!!楽しく成績をUPの為に講師は全員芸人並みに面白い!

というのが当初のコンセプトメッセージでした。

 

僕がん?と思ったのはIT×完全把握型個別指導、という点です。なぜ、ん?と思ったかというと、両方ともに抽象的な言葉を組み合わせてしまっているので、イメージが沸かなかったからです。

 

ITといっても色々あります。通信衛星を統合管理するものも、YouTubeも、スマホとつながる湯沸かし器だってITです。幅が広すぎるのです。

 

また、完全把握型個別指導塾というところもわかりにくく感じました。個別指導塾だと生徒の隅々まで把握していないけれども、それがわかるってこと?とにかく、頭の中で「イメージの答え」が出ない。

 

想像できないということは、手に取ってもらえないということです。なので、まずは何がこのサービスのコンセプトコアなのか、聞き出すことにしました。

 

取材によって、コンセプトを整理する

www.mochizoo.xyz

 

上記は実際に取材した内容を記事にしたものですが、こうした形でとにかく情報を吐き出してもらい、サービスの柱となっている要素は何かを整理していきました。

 

すると、2点の気付きがありました。

  1. 「先生が壁を壊す」などの逸話が芸人のネタようにウケて、子供が面白がって塾に来たがる
  2. 人工知能を使って、生徒に効率的に勉強させている

 

しかも、背景として、生徒は友達が集まるような面白い塾に行きたい、しかし、親は成績の上がる塾に行かせたい、という「子供と親のニーズのギャップ」があったですが、上記の気付きはそのギャップを埋めるに足りると感じました。

 

生徒は面白い先生をコンテンツとして見に来るので、そこで塾、勉強に対するハードルが下がるわけです。そして、席につくと面白く勉強できる人工知能の教材がある。この掛け合わせは、論理的で、意外性があり、面白い。

 

なので、塾のコンセプトメッセージを「芸人先生」×「人工知能」としました。4文字×4文字でカチッとハマる感じもいいかなと思っています。面白い先生と人工知能の両軸で回っているのに、アホとインテリの真逆の組み合わせみたいで良いし。

 

「意外性」で、テレビ取材が食いつく。

そんなコンセプトを考案した直後、たまたまあるイベントに参加しました。

 

その中で、今やりたいプロジェクトを話す機会があり、「芸人先生」×「人工知能」についてプレゼンをしました。すると、それを聞いていたテレビ局の人が、取材を持ちかけてくれたのです。

 

テレビとしては、「芸人先生」というのが絵として面白そうだし、「人工知能」という流行りのキーワードも入っているのし、その掛け合わせがどうなるのだろう、というように想像してくれたそうです。

 

2年間塾を運営している中で、初のメディア取材ということで、大変喜んでもらえました。

 

ビジネスコンテストにも出場、決勝まで勝ち上がる

また、上記コンセプトをまとめ上げ、ビジネスコンテストに応募したところ、書類審査を通過。

 

2次審査のプレゼンでも、プレゼンしたその場で通過のお話をいただき、今週末(19日)に決勝プレゼンに登壇することに決まりました。

 

 

 

 

「芸人先生」×「人工知能」というように軸を明確化したことで、業態説明→市場ニーズ説明→優位性説明と、自社のサービスを語る流れが簡潔になり、説明がスムーズになりました。

 

コンセプトを改めると、商品が響く

コンセプトを整理し、改めることで、商品の良さが伝わりやすくなるということを目の前で実感しました。

 

とりあえず、今週頑張ります!

速攻で転職成功。転職活動が2日で終了しました

ども!

しょうきちです。

 

この度、3回目となる転職活動を始めたのですが、もう終わってしまったので報告いたします!

 

職種は、めでたくライター職に転職成功です!

 

というわけで、僕はプロのライターとして働くわけなので、ブログも一層頑張らねばならなくてはなりません……笑

 

速攻で転職に成功するコツ

今回転職に成功した要因は4つあると考えます。

  • 超やりたい仕事を探す
  • ストーリーを魅せる
  • 「できること」と「できないこと」の線引を明確に説明する
  • 大量採用の求人を狙う

 

やりたい仕事を探すことで、志望動機が超明確に

今回は、やりたい仕事が極めて明確化していたので、志望動機を考えずに面接しちゃいました。

 

それでも、やりたい仕事なら志望動機って出てくるんですね。別府の温泉みたいにバシャバシャ湧いてくるんです。

 

今までは「成長したいから」とか「こういう企業が良いから」って言う風に、理論を作りながら里望理由を考えていたわけですが、元々やりたかった仕事を「これです!」って言う方が、当然ラクでしたし、向こうも全く疑うことなくOKをくれました。

 

応募している仕事と今までの仕事に「ストーリー」という一本串を通す

なぜやめたのか、なぜ今の仕事に応募しているのか。

 

退職理由と志望理由に一本串を通して語ることによって、退職から転職の流れをスムーズに語ることができます。

 

「こうなったらやめちゃうかも」をネガティブにならず、論理的に

僕は4社目になるので、面接官も「こいつ辞めないかな」というのは気にしていたようで、そこをかなり聞かれました。

 

なので、ぼくはなるべく誠実に答えようと、「こうなったら辞めたくなります」という「線引」を明確にしました。

 

具体的には、「マーケティングという領域での配置転換なら全く問題なく続けられます。でも、営業に転属となったら僕は辞めると思います」など。

 

自分がどういう範囲でなら働けるのか、どんな理由でやめたくなるかを明確化することで、相手も安心します。

 

ちなみに、面接最後の質問タイムにおいても、「自分の仕事への認識と実態にギャップがないかを確かめたい」と言い、自分で仕事のイメージを語り、違う部分を指摘してもらうというやり取りをしました。

 

違う部分もありましたが、むしろ更に意欲が出る仕事内容だったので、面接で語った話と絡めつつ「それなら、○○という理由で、さらにモチベーションが上がります!」と話しました。

 

大量採用の求人は、ほんとに狙い目

人事からすると、採用人数=営業目標。採用人数とは、ノルマなのです。つまり、営業が目標売上にいかなくてどやされるのと同じように、人事は採用人数が目標にいかないとどやされます。ですから、人事もかなり焦るはずです。採用の眼も若干甘くなるでしょう。

 

ちなみに、僕は掛け持ちで仕事をやります。

僕は今回、やりたい仕事とスキルを伸ばす仕事で割りきっていて、もう一つ内定を(というかスカウトを)うけていたので、兼業で仕事をやってみることにしました。

 

ブログをやっていて、その流れで文章などを評価してもらい、もらった仕事なので、ブロガーとして嬉しい!

 

詳しくは次のエントリーで書こうと思いますが、そういうわけでこれから頑張らないといけないなと思います。

子供が勉強できないのは、「一般常識がないから」かも

ども!

しょうきちです。

 

子供が勉強できないのはなぜだろう?と思ったことはありませんか。

 

塾で勉強を教えていて感じたことなのですが、子供の勉強の伸び、特に理科・社会の伸びにおいて、「一般常識の有無」が強く影響している傾向があるとわかりました。

 

「日本=アジア州」だとわからない理由

 

言うまでもなく、日本はアジア州の一国です。○○は○○州である、というのは中1の地理の授業でやる、まさに最初の暗記項目です。

 

これを一瞬で理解する子と、3回授業で教えても毎回忘れてしまう子、というのが存在しました。このギャップは何なのだろうと思い、よく話を聞いてみたところ、

 

忘れてしまう子は「世界地図を(ざっくりと)描けない」「そもそも国名を知らない」ということが判明しました。そうです。普段ニュースで見るような、社会の一般常識がないのです。

 

例えば、ロシアといえば寒い、サウジアラビアといえば石油が採れる、イギリスと言えば時計台、エジプトといえば暑い、のような「共通認識」が存在しませんでした。

 

「アジアといえば○○」というイメージがないのに、日本とアジアを組み合わせるのは辛いことです。イメージを持たない彼らにとっては、アジアという言葉はカタカナ3文字の集合体にしか見えないからです。

 

「アジアといえば黄色人種」「アジアといえば中国、韓国」「アジアといえば人口が多い」そういったイメージがないのにアジアという言葉を扱うことはできません。だから、日本=アジア州という組み合わせが定着しづらいのでしょう。

 

新しい知識は「たとえ」を使わないとわからない

大学で認知心理学の勉強をしていたとき、人が新しい知識を取り入れるコツとして「たとえ」を使うとよく「わかる」という話がありました。

 

例を出すと、三角形のことを、

 

「同一直線上にない3点と、それらを結ぶ3つの線分からなる多角形」というよりも、

 

↓こんな形だよ、という方がわかりやすいわけです。

「三角形 フリー画像」の画像検索結果

 

生徒の学習はこれと同じことが起こっていて、たとえを使って覚えられるかで習熟度が格段に変わります。

 

アジア州ね。アジアというと、日本人ぽい顔の人が結構いて、中国とか韓国とかインドとかと同じだよね。最近は成長してるみたいだけど、貧しい国もいっぱいあるんだよね。東南アジアはものすごく暑いってきいたことがあるなあ

 

というように、「アジアといえば=たとえ」を使って記憶するか、

 

アジア。アとジとアで、アジア。ふーん……

 

と流してしまうか。これは大きな差です。

 

勉強できない子供はニュースを見ていない?

 

ニュースを見ていないから勉強できないとまとめるのは乱暴ですが、一要素として、「ニュースなどの社会情報に接しているか」は習熟度に関係あると思っています。

 

しかし、ニュースを見たがらない子も多い中、無理やり見せるというのもナンセンスです。

 

楽しく学べるツールを使おう

遊びながら学べる状態を作るのは一つの手ですね。

 

例えば、「地理を学ぶなら桃鉄」という話題がよくあがります。 

桃太郎電鉄2017 たちあがれ日本!! - 3DS

桃太郎電鉄2017 たちあがれ日本!! - 3DS

 
桃太郎電鉄20周年

桃太郎電鉄20周年

 

 

その土地の名産などを理解しながらゲームをすすめるため、知らないうちに地理の知識がつくという素晴らしいシロモノ。子供ができたら買ってあげたいです。これならお金を出しても惜しくない!

 

三國無双なんかもいいですよね。勝手に三国志の武将とか、闘いについて覚えられる。かくいう僕も呂布が馬鹿みたいに強いとか、貂嬋がめちゃくちゃかわいいとか、そういうどうでもいい情報も含めて三國無双で学びました。 

真・三國無双7 with 猛将伝

真・三國無双7 with 猛将伝

 
真・三國無双7(通常版) - PS3

真・三國無双7(通常版) - PS3

 

 

子供の集中力は異常なので、ゲームをやりながらだと、ものすごくいろいろなことを学べます。

 

一般常識を身につける工夫は大事

一般常識は、新しい知識をみにつける上での「たとえ」となり、助けとなります。なので、一般常識を学ばせることは極めて重要。

 

生徒に楽しく学んでもらえるよう、僕も頑張らねば。

転職先はブラック企業第65話「休職」

信じられないほどの高額な治療費を出され、僕は嫌気がさして病院を飛び出した。良かったのは、診断書をもらっていたことだった。

 

休もう。休職だ。とりあえず、休職をしよう。僕は診断書という武器を手に入れ、会社にメールを入れた。

 

「診察の結果、うつ状態と診断されました。医師にも会社を休むことをすすめられたので、1ヶ月ほどお休みさせていただきたいのですが、よろしいでしょうか」

 

医師から言われたことをまとめ、自分のプロジェクトに関係する10人ほどをCCに入れ、宛先を社長と副社長の青井にして送信した。

 

青井からは5分ほどで返事が来た。

 

「了解。復帰できそうだったら連絡頂戴。それまでゆっくり休んだほうがいいね」

 

青井らしい、さっぱりした対応だった。また、社長から僕にメッセージが来ることはなかった。

 

僕は開放感と申し訳無さに包まれていた。

 

1ヶ月の休職、つまり休み。とりあえず休みたい。休もう。そうした気分と、ほとんど返事をくれないプロジェクトのみんな。きっと、僕がこなすはずだった仕事が一気にまわってきて、僕のことを恨んでいるのだろうと思った。

 

同僚のため息が聞こえるようだった。僕は怯えた。街で営業をしている会社の社員に会うのが嫌で、近場のツタヤと松屋を往復しながら過ごした。

 

昼間にTシャツ姿で歩くのは最初は気分が良かったが、3日もすると、これでいいのだろうかという罪悪感が生まれてくる。今、僕は本当に働けない状態なのだろうか。もしそうでないとするならば、僕はサボりだ。ただの。

 

そう思って、とりあえず転職サイトを開いてみるも、まったくもって集中できない。僕の疲れた脳は、眼の前のテキストを言語として認識していない。僕はサイトを見ていた流れでネットサーフィンを始め、YouTubeを見始めて、そして夜になった。4時に寝て、12時半に起きる。松屋に行き、牛めしを食い、また昼寝をして、起きたらなんとなくYouTubeを開き、ゲームの実況動画を見て、夜になる。眠れない夜。うだうだしながら夜明けまで過ごし、太陽がのぼり始める頃に眠る。

 

毎日働いていたら、時間の使い方を忘れてしまったようだった。旅行に行く気にもなれず、ひたすらにお金の掛からない毎日で日々を浪費するしかなかった。

 

そんなとき連絡をくれたのは、前職で良くしてくれていた、エンジニアのKさんだった。

転職先はブラック企業第64話「診察」

「しょうきちさん、どうぞ!」

 

かんたんなアンケートを書き終わったところで名前が呼ばれる。怖い。しかし、もう戻れない。

 

最初に通された部屋には、漫画で出てくるマザーコンピューターみたいな巨大な機械が据え付けてあった。

 

そこには頭につけるヘッドセットみたいなものがつながれており、僕はそれをかぶるように指示された。脳の血流を読み取るようになっているらしい。

 

医師が合図をすると、簡単な質問が出された。僕はただ座ってそれに答えるだけでいいという。幼稚園児の知育テストを受けているようだった。

 

テストは20分程で終了し、それから問診を受けて終了。

 

結果は、軽度のうつ状態だった。僕の前頭葉の血流は、健常者の回答に比較して反応が鈍く、それがうつ状態のあらわれということだった。

 

どうすればいいんですか、と聞いた。すると、医師はとんでもないことを言う。

 

「電気ショック療法が一回三十万円ですね。それを八回は繰り返してもらうことになります。薬物療法ならもう少し安いですが、依存性のリスクがありますね」

 

どちらの選択肢も、到底のめない話だった。すこし考えたいというと、わかったと言いながら、ここで治療しておかないと長引くといい、放置のリスクをとうとうとうったえてきた。

 

それでも僕が考えたいというと、本を二冊手渡して、うちが出している本だから読んでくれという。見ると、病院の医療技術をめちゃくちゃにアピールするような内容だった。

 

わかった。これは、営業だ。単価三百万円の、医療サービスを売るか断られるかの商談なのだ。

 

僕は、そう感じて二万円の会計をしてから病院を出た。ちなみに、僕がその病院を訪れることは二度となかった。

 

 

 

 

 

 

 

転職先はブラック企業第63話「大矛盾」

新宿を中野方面に歩いてたどり着いたのは、ドラッグストアや小型スーパーなどが入った三階建の複合施設だった。新宿ハートクリニック。僕が探した心療内科はこの中にあった。

 

僕は誰にも見られないようにパーカーを着て、いつもはかけない伊達メガネをして中に入った。

 

白い清潔なエントランスに、アロマオイルのような香りが漂っている。受付は広く、看護師さんが笑顔で出迎えてくれる。

 

訪問者の心を癒やす様々な工夫が、僕には圧迫してくる悪意のように感じられた。待合室には何人かの患者がうつむきながら何かをしている。なるべく彼らを見ないように、僕は受付を済ませた。

 

僕は、自分が会社をやめる理由として精神疾患を求めていた。ハードワークにやられて心を病んだ。それなら辞めても仕方ない。いきさつを話すとき、そう思ってほしい。

 

しかし、診察を前にして、本当に自分が精神疾患を患っていたらどうしよう、という恐怖が襲ってきた。病名をラベルとして貼り付けられたとき、僕には会社に負けたという烙印がおされる。他のみんなは耐えられるから一流で、耐えられなかった僕は二流以下なのだ。

 

そのとき、僕は会社から逃げるために精神疾患の名前を求めていながら、自分を精神疾患患者と認めたくないという、極めて都合の良い矛盾した思考に板挟みになっていたことに気づいた。

 

そして、会社を逃げるために病気を使いたいという卑怯な自分に恐怖し、さらに医師が病名を僕に宣告する瞬間を想像して恐怖した。

 

診察前のアンケートに手汗が滲んでいる。僕は自分の行動が信じられなくなった。意図せずに、卑屈で自己中心的な選択を取ってしまった自分がただひたすらに嫌だった。

 

 

 

 

 

転職先はブラック企業第62話「仮病」

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5月の日曜日、僕は勉強会を休んでレンタルビデオ店でビデオを借り、それをひたすらに眺めていた。ベッドからほとんど過ごさずに、ただディスプレイの上をなぞる。夕飯を食べに行こうと思って駅に向かって歩きだすと、板橋の街が夕日に照らされて輝いていた。

 

久々にゆっくりと街を歩いた。クロックスで歩くのは革靴で歩くよりもずっと心地よかった。松屋に入ると、僕は牛めしをいつもの2倍の時間をかけて食べ、味噌汁をゆっくりとすすり、出された水を全部飲み干してから、ごちそうさまと言って出た。

 

散歩はたらめに楽しかった。用もないのにマルエツに行って果物をながめたり、惣菜コーナーでうまそうなブリの照焼を手にとったりする。実は、街にはいろんな刺激があったということを思い出した。

 

仮病

ある月曜日、僕はついに仮病を使った。もう、会社に行くためにドアを開けることができなかったのだ。冷や汗をかきながら出したメールでの連絡には、意外にもあっさりとOKが出たことに驚いた。

 

開放された気がした。朝10時に部屋にいることが、とても不思議な感じがした。僕は心地よい罪悪感の中、二度寝をした。昼の1時になってからのそのそと起き、冷蔵庫から牛乳を出して飲む。胃が食べ物が入ってきたことを察知して、急に何か食べたくなった。

 

クロックスをつっかけて家を出る。昼間の板橋はとても静かだった。当然ながら、社長も頭脳警察もいない。新宿のオフィスと8キロくらいしか離れていないというのに、天と地の差だ。すごいことだ。何もしていないのに、社長から怒られないなんて。

 

僕は1駅分歩いて板橋区役所前のココイチでカレーを食べた。

 

その途中、何人かのビジネスマンとすれ違った。すれ違うたびに、彼らと目があう度に暗い気持ちが戻ってきた。月曜なのに私服で歩いているところを彼らに見られることが辛かった。

 

彼らとは別の時間軸で動いていることが恐怖だった。なぜ休んでいるのか。自分が弱いだけじゃないのか。怠けているだけではないのか。僕は名前の知らない大勢の誰かに責められている気がして、早足で家に戻った。

 

自分の休んでいることに理由がほしかったのだ。

 

僕は思わずキーボードを叩いた。検索ワードは「新宿 精神科」。

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転職先はブラック企業第61話「抵抗運動」

転職先はブラック企業 前回の話はこちら

 

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僕は思わず、キーボードに指を走らせていた。自分の意思がどうこう言う前に、勝手に指が走る。知らず知らずのうちに、自分の会社のレビューページは僕の文字でいっぱいになった。息を止めてキーボードを打ちまくっていることに途中で気づき、あわてて息をする。

 

自分の会社を悪く言うことは、ものすごく悪い気がした。しかし、書かずにはいられなかった。どうしても、今の自分のことを知らせたかった。社員旅行で見るうそ寒い笑い、社長への賛美と、日々、社員の味わう奴隷のような冷たさ。

 

ブラック企業で働いている人間は、ずっと、自分が被害者であることを認識していないのかもしれない。虐げられることに慣れすぎて、声をあげる術を知らないのだ。

 

しかし、だからこそ、僕は書くべきなのだと思った。遠くから石を投げるかたちでも構わない、小さくても抵抗したいと思った。自分はもうこの会社で、長くは持たない気がする。だから、せめて、引っかき傷の一つでもつけてやりたかった。

 

僕は沸騰した頭で、大量の批判分を書き上げた。そして、思考のとまった右手で重力のまかせるままにエンターキーを押した。僕はそのまま倒れるように眠った。

 

転職先はブラック企業第60話「断末魔の叫び」

 転職先はブラック企業 前回の話はこちら

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新卒の前途有望な若者たちは奈落の底に向かって(物理的且つ社会的に)真っ逆さまに落ちていった。この世の終わりに直面したような声、もしくは首を締められたカラスのような声をあげながら。それを上から見下ろしながら、社長は爆笑していた。僕らも合わせて笑顔をつくった。

 

「腹がよじれそうだわ、マジで。クソ笑った」

 

社長はヒーヒー言いながら、タバコの煙をふうっと吐いた。

 

「おい、マゾ彦、お前も飛べよ」

 

突然社長がマゾ彦を指名した。

 

「金払ってやるから。突っ立っていてもつまんねえだろ」

 

自衛隊出身のマゾ彦は、上官命令を拒否する術を知らない。彼は何も抵抗せずに装備をつけられ、「突撃します!」の声とともに華麗に飛び降り、凄まじい速度でミサイルのように落下していった。その潔い姿に気分を良くし、社長はまた笑った。戻ってきた新卒たちも、合わせて笑っていた。

 

帰りのバスでは男性社員全員がストッキングを被る変顔大会や、うまい棒早食い大会などが行われていた。僕らの会社は総会をやるホテルなどでも散々会場を荒らして帰るので基本的に一発で出禁になるのだが、今回も社長がどこからか持ってきたローションを社員にかけ始めるという暴挙に出たことで、そのバスの出禁が命じられた。

 

新宿のビル前でバスを降りると、ローションまみれの僕らを見て、通りのビジネスマンたちは怪訝な顔をした。

 

自由意志

ベンチャー企業の中では、僕らは運命共同体だ。激務の日々を戦い抜きながら、毎日を家族のように顔を突き合わせながら生きる。一緒にいることが前提だから同じものを見て同じように笑うのが望ましい。

 

そこに自由意志はなかった。会社を成長させるという大義名分のもとに、僕らは身体的自由と精神的自由を搾取させられていた。意識した途端に息苦しくなる。入社してから1年近く目を背けてきた事実に、僕は直面した。

 

会社のために成長しようとか、会社のために利益をだそうと言う言葉が途端にうそ寒く感じる。

 

その夜、僕は歌舞伎町のメンズサウナにいた。汗を流して錆を落としてい気分だったのだ。ふと見ると、メールボックスにWeb関連の記事が届いていた。送信者は社長。全社員が一斉に賞賛のメールを送っている。当社の利益向上のためにはウンヌン、これからのWeb業界はカンヌン。僕は嫌になってPCを閉じた。

 

僕はメンズサウナのWi-Fiを借りて、転職会議のサイトを開いてみた。会社の転職情報と、在籍者の口コミがのせられている。世間で「社員を大切にしている」と言われる企業も、ここを除けば反吐の出るような勤務実態が顕になる。もちろん、うらみをもってやめた人が過剰な批判を展開しているところもあるけれども。

 

自分の会社を検索してみた。すると、

 

  • 社員が事業部まるごと夜逃げしたこともありました
  • 頑張って自社サービスを開発しようともしたけど、失敗
  • いろんな事業に次々と手を出して、節操がない
  • 社員が死にそう

 

と、あった。呪いの言葉だ。どれもこれも真実だし、誇張しているところは見られなかった。文章の長さは呪いの強さといえるだろう。今まで苦しみながら辞めていった社員たちの、断末魔を聞いているようだった。

転職先はブラック企業第59話「地獄へようこそ」

「地獄 フリー画像」の画像検索結果

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僕は自分が壊れているのか、壊れていないのかわからないまま仕事を続けた。

 

社内ではMVPを決めるコンテスト的なものが2ヶ月ごとに行われることになり、選ばれたものは毎回涙を流して喜んでいたが、その選定基準が「ガス抜き」であることは明らかだった。辞めそうな人間や、叩かれた人間を慰めるための表彰。毎回いろんな叱咤激励が飛び、記念撮影があった。が、僕はひたすらに出されたケータリングのうまいメシを食べることに精神を集中させていた。

 

そんな中、来年度に入ってくる新卒たちの「仲間入り儀式」なるものが行われた。新卒全員で懇親会をやるといって会社に集まらせてからそのまま拉致して群馬の水上に連れていき、気合のバンジージャンプをさせるというのだ。当然僕らも強制的についていくことになった。

 

新卒は一旦社内に集合させられ、お菓子を食べながら15分ほど団欒。しかし、突然社員に外に出るように指示される。事情を知らされていない新卒は、キョロキョロしながら社員の中に紛れてついてくる。ビルを出るとそこにはバスが停まっていて、そのまま拉致。有無をいわさずバスの中に押し込まれる。

 

新卒たちに強烈な恐怖を感じさせ、それを仲間で乗り越えさせることによる一致団結を目指す。出発前に社長が語っていたのはそんな能書きである。僕はどうでもいいと思いながら、苦笑いと小さな拍手で応えた。

 

行きのバスの中では当然、乗り物酔いを覚悟しながら全員が仕事モードである。休む暇はない。各自乗り物酔いを飲みながらできるだけ長時間パソコンを叩ける用に神経を集中させる。しかし、大抵の人間は30分も持たず、朝5時まで飲んで駅前に寝転がっている大学生のように死んでいた。もちろんそんなときにも取引先からの電話は入るので、2分だけ死力を振り絞り、営業トークをかますのだ。

 

こんな車内で、新卒は何を思うのだろう、と思った。彼らは社長を囲うように座らされ、社長のリズムに合わせて笑っている。

 

鳴り響く携帯。群馬までの道のりが辛い。携帯はなぜこんなに山奥でも通じるようになってしまったのだろう。文明の利器の進化は僕らを死ぬまで働かせるように向かっているような気がする。

 

水上に到着すると、凍える風が吹きまくっている。僕らはありとあらゆる意欲を喪失した。何でこんな季節に水上なんて来るんだ。脳みそプッチンプリン野郎め。

 

何をするか内緒にされていた新卒は、寒さにドン引きし(当然防寒着は持ってきていない)、巨大な橋の景観と係員の持ってきたバンジーの装備に絶句していた。

 

言い忘れていたが、新卒たちは揃いも揃って優秀である。学歴はもとより、エロ画像を収集してくる謎のプログラムを組んだりする変態の東工大生や、外資系コンサルを辞退して入ってくるSFC生など、やばい人間がごろごろいる。しかし、社長の営業トークによってこの会社に入社することになってしまった彼らがまずやることは、めちゃイケもびっくりの極寒水上バンジージャンプなのだ。僕は彼らを育てた両親が何を思うかを想像した。

転職先はブラック企業第60話はこちら

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塾代が高い。費用を減らす方法!

ども!

しょうきちです。

「お金 フリー画像」の画像検索結果

 

塾の費用は高いですか?

塾の費用は多くの家庭で年間20万以上と言われています。

公立中に通う家庭、塾代年20万円以上が半数近く :日本経済新聞

 

僕が住んでいる宮崎県では社会人一人あたりの平均収入が300万円程度なので、それだけかかるとなると結構な打撃ですね。無理な支出が続けば、その歪みはやがて家庭を襲うでしょう。

 

「お母さん、今日の夕飯はご飯とお味噌汁だけなの?」

 

「今日のご飯はね、ご飯と、お味噌汁と、ハンバーグの“概念”と、ポテトサラダの“概念”よ……」

 

「ははっ……そうか、何もないと思ったら、概念だったんだね!ありがとう、いただきます!お母さん、ハンバーグの概念はとてもおいしいね!この、コショウの……コショウの概念が効いている感じ!」

 

そうやって、無邪気な子供の清らかな精神が失われていくのです。嗚呼現代社会、恐ろしや。

 

僕はいくつかの塾を運営したりマーケティングを手伝ったりしているのですが、中には「1日1000円でも高い」と言われるケースもありました。「1ヶ月1万円じゃ高いから、生徒は絶対にこない。せいぜい1ヶ月5000円だね」とも。

 

地域によっても違いますが、基本的に「塾は高い」という認識は共通してあるのでしょう。

 

確かに考えてみれば、塾に1ヶ月1万円払うとしても年間で12万円なので、日々のお小遣いやクリスマスプレゼントや夏の旅行をひっくるめてもお釣りが来ます。クレイジーです。塾代が高い問題はなんとしても解決しなければなりません。

 

塾代が高いなら、減らそう。

 

塾が高い理由は2点あって、

  • 人件費の高騰:大卒以上の学歴保有者を大量に採用しなければならない
  • 教室の運営費:店舗の運営費がかさむ

ここにあります。

 

ということは、この課題を解決している塾の企業こそ、合理的な価格を提供しているスーパーリーズナブル企業と言えます。そういう教育サービスを選べばいいのです。

 

インターネットを利用した教育サービスなら、高い塾代が安くなる

 低価格な教育サービスは最近たくさん出てきましたが、中でもインターネットを利用したものは特段安いので注目です!

 

「とある男が授業をしてみた」のコスパは異常!


【社会】  歴史-56  明治時代① ・ 始まり編

まずはこれを見てください。

 

YouTuberの「はいち」さんが、中学範囲の講座を全て無料でみせてくれています。はいちさんは国立の東京学芸大学出身。ノウミソクオリティは折り紙つきです。

 

「先生が余計な知識をひけらかして生徒をドン引きさせる」的な脱線もなく、内容がシンプルでわかりやすいので、僕も授業の参考にさせてもらっています。

 

なぜ無料かというと、はいちさんはYouTubeからの広告費を収入としているので、無料でやっていけてるんですね。なので、タダだからといってクオリティが低いということは全く無いです。

 

「もし、塾に行かせたいけどお金が……」というのであれば、はいちさんの動画を見せることを激烈にオススメします。なんて言ったって、タダだし。

 

塾講師もお金を払って見るほどのクオリティ。スタディサプリの横綱相撲を見よ

 

絶対やってみてほしいのは、スタディサプリです。

 

動画を見て勉強するという点でははいちさんの動画と全く変わらないのですが、講師陣がプロ中のプロです。

 

プレゼン力が高すぎて、見ていて感動します。


スタディサプリ 【英語】90秒でわかる!特別講義 関講師

 

こんな授業、そうそうできませんよ……


スタディサプリ高校講座 【現代文】90秒でわかる!特別講義 小柴講師

 

僕も一応大学生のときに塾講師のバイトをやり、それなりに頑張ってクラス全員90点台にしたこともありましたけど、こんなクオリティは出せません。ここまでやるのは授業に魂をかけているプロにしかできない所業です。見ていておそろしくて震えます。「僕ってまだまだなんだなあ、死ぬほど頑張らなきゃ」みたいに……。

 

近所の大学生に、家庭教師を依頼する

これはちょっと裏技的ですが、大学生に家庭教師を依頼することで、高い授業料を抑えるという手もあります。

 

塾講師なんて多くがバイトなので、大学生に依頼しても(まともな学生を選べれば)そこまでクオリティは落ちないと思います。

 

1回の授業を90分として、それで2000円を謝礼として渡せば時給1333円です。個別指導で、この値段で講師を捕まえられるなら安いもの。月4回の授業で8000円ですから格安の塾よりも安いです。色をつけて1万円にしてあげれば上々なのではないでしょうか。

 

まとめ:インターネットや裏技を使うことで、高い塾の費用は劇的に下がる

高い塾の費用は、工夫次第でどんどん下がります。

 

格安スマホと同じようなもので、サービスの提供の仕組みが変わったことで、今までより圧倒的にサービスを安く受けることも可能なのです。

 

スタディサプリは僕も登録してやっているのですが、大人も満足できるクオリティ。無料体験できるので、迷ったら必ずやるべき!!

転職先はブラック企業第58話「ブラック企業社員のお正月」

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僕は冬の中、池袋を歩いていた。1月1日の早朝。あけましておめでとうございます、と朝まで飲んだ酔っぱらいが天に向かって叫んでいる。

 

さすがにこの日は仕事はない……と言いたかったが、正月前後のTODOリストの共有を促され、仕方なく作業日程を組んだ。こんなときでもタスクはあるのだ。

 

この前、ある不動産会社の社員の採用ページがあった。俺たち4人合わせて年収8000万。すごいキャッチだ。僕はこんなにストレートで力強いコピーを見たことがなかった。コピーがすごいというよりも、すごさはその事実、インパクトの大きさにある。

 

 

ここまで物欲があるのって、ある意味正しいというか、健全なわがままをして生きてこれたのかなあと思う。欲しいものをほしいと言える、健全でパワフルな欲求。しかし、ここまでストレートな表現を見ると、刺激を受けざるをえない。

 

ヨレヨレのスーツでまあいいか、と思っていたけれども、やっぱり良いスーツを着たい。我武者羅に働いている中で、時間をたくさん費やしている分きちんと学ばねばいけない。そして、ちゃんと自分の市場価値を高めないといけないと思う。

 

僕のスーツは10,000円だ。

 

とてつもなく安い、中国製のスーツ。大手のスーパーで、リクルートスーツとして買った。それから4年が経つが、未だに着ている。

 

品質はお世辞にも良いとは言えない。表面には妙なてかりがあり、撫でると化学繊維のざらつきを感じる。シャツも同様に粗末である。スーパーのまとめ買いセールで買った、プライベートブランドのシャツ。

 

アームホールがすっきりしておらず、脇に無駄なだぶつきがある。相当な回数、洗濯されているから、アイロンをかけてもまっすぐ伸びない。

 

そうしたスーツやシャツからは、どことなく隙を感じる。動くと贅肉のように、服がだぼついて見える。

 

クライアントも、このスーツを見て同じことを思うのだろうか。

 

僕はこのスーツに少々うんざりしていたが、特段買い換えるモチベーションはなかった。消極的な理由で、この服を選んでいた。

 

通勤中、ふと見ると、サカゼンのつり革広告が見えた。アルマーニのスーツだ。僕のスーツの20倍。ものすごく高額な、ブランドのスーツだった。

 

8000万の記事を見たこともあり、高級品のイメージは僕の物欲に刺さった。

 

出来る人はやはり良いスーツを選ぶし、良いスーツを選ぶ人は出来る人の方が多い。パリっとしたスーツを着ている人は、大抵仕事ができる。(ブラック企業の社員は仕事はできるのにグチャグチャのスーツだったりするが、それは疲れてソファに倒れてしまったからだ。断じて仕事ができないわけではない)

 

しかし、できる、稼げるビジネスマンにならなければ、高級スーツは似合わない。僕のように稼げない身ならば、高級品は似合わない。

 

しかし、自分がいっぱしになる覚悟と目標が決まったら、しょうもないスーツを全て捨てて、高級なスーツと上質なシャツにそっくり買い換えようと思っている。

 

靴下もシューズも、ベルトも捨てよう。コートも捨てよう。全て捨てて、生まれ変わったように仕事をしよう。

 

大量に作られて大量に捨てられていく、大量生産品のような人生で終わりたくはない。

 

僕はサカゼンの初売りセールに1番乗りで駆け込み、イタリア製のダブルの青いスーツを買った。10万円のスーツが4万円。アルマーニのスーツは今の僕には買えないけど、僕なりに、仕事を頑張っていこうという心機一転の思いを込めた。

 

そうでもしないと、やっていられないのだ。新しいスーツは僕が仕事を何とか続けるためにすがる蜘蛛の糸のようなものだった。

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転職先はブラック企業第57話「労働基準監督署に行ってみた」

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エレベーターを上がって、「労働相談はこちら」のエントランスを入っていく。土日なので、ほとんど人がいない。受付にはおじいさんが一人。声をかける。残業代未払いなのですが、どうすればいいですか。

 

じいさんはちょっと待って下さいねというと、僕をパーテーションで区切られた応接間のようなところに通してくれた。それからパンフレットをいくつか持ってくる

 

「労働時間は週に40時間まで」

 

僕は小さく笑った。ゆうに、週100時間は働いているのだ。

 

僕はもう、これ以上長く働けないということを理解していた。そんな僕の落とし所は「未払いの残業代を全て回収すること」に決めた。そうすれば、僕の年収はおびただしい残業量によって1.5倍~2倍にブチ上がるのだ。垂直跳びだ。昇竜拳だ。

 

僕はその望みを込めて、今までの労働状況を全て話した。毎日会社のソファに寝て、朝9時から朝の5時まで働き、ほとんど帰れないこと。社長による暴力がしばしばあること。土日に休もうとすると、無断欠勤にするぞと脅されること。残業代が一円も出ないこと。

 

ここまで話したら、労基署も納得してくれるだろう。そう確信して、僕はジイサンの顔を見た。

 

しかし、会社と戦うことを決めた僕に、労基署のジイサンはふざけたことを言い始めた。「でも、IT業界ってこういうこと、たくさんありますからねえ。どこも大変なんでしょ?」と。

 

はあ、と僕。私達も調査しようとは思うんですけどねえ、どうも追いつかないんですよねえ、とジイサン。僕は早くも、労基署を頼りにしようとしたことを後悔し始めた。

 

せっかく来たのに何もしてくれないんですか?と言いそうになるのをこらえて、

 

「では、僕は何をすれば、会社の労働環境を是正できるのでしょうか?」

 

と、理性的に言い直した。ジイサンはそうですねえと言って、またパンフレットを持ってきてくれた。見ると、請求書みたいなわら半紙の書式。

 

「これに未払いの請求金額を書いて、提出してください。そうすれば、会社も対応してくれると思います」

 

本当だろうか。ここまでブラックな会社なのに、こんなもので対応してくれるのだろうか。僕は訝しげにわら半紙を見つめた。武器がこんな紙っぺらとは、心もとないものだ。

 

「ありがとうございます。ちなみに、うちの会社には監査が入るのでしょうか。労働条件は改善されるのでしょうか」

 

「それは……そうですね、担当を呼びましょうかね」

 

ジイサンはそういって離席した。それから、労働基準監督官のプレートをつけた30代後半くらいの男性がやってきた。

 

「正直申し上げて、監査が入るかはわかりません。労働基準監督署では、監査に入る会社を毎回会議して決めます。一応議題にあげることはできますが、正直、むずかしいと思いますね。大企業ならまだしも……」

 

「大企業だったら、監査に入ってもらえるんですか」

 

「一概にはいえませんよ。でも、やっぱり小さな会社って、それだけブラックな働き方になりがちですよね」

 

僕は労基署を出た。こんな、わけのわからない仕事を毎日やって、労基法なんて完全に無視しているような会社でも、労基署は動いてくれない。

 

僕は絶望した。暗い気持ちのまま山手線に乗り、オフィスを目指した。残っているタスクをやるために。

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塾は意味ない?実は、塾の存在意義は変化している

ども!

しょうきちです。

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最近、塾系のお仕事をもらったりして、生徒に勉強を教えたり、塾の競合調査をやったりしています。

 

そこで最近感じるのが、塾の存在意義が変わっているということです。

 

果たして塾に行く意味はないのでしょうか?あるのでしょうか?

 

塾=勉強を教える場なら、塾は意味ない

塾が単なる「勉強を教える場」なら、どんどんその存在意義はなくなっています。知識を詰め込むだけなら塾の意味はないのです。

 

なぜなら、世の中的なサムシングは

  • 学歴主義→実力主義への変化
  • インターネット型激安教育の台頭

こんな風に変化しているのです。

 

別に学歴だけ良くても意味ないよね、みたいな認識が出ているし、インターネットでググったりして無料の問題集がダウンロードできたり、安いサービスが使えたりするので、塾なんて行かなくてもいいよね、という意見も出ています。

 

灘高校という、高偏差値高校出身を売りにして威張り腐っている生意気な1.5流校出身を地獄の業火で焼き尽くす無慈悲な天才オブ天才高校が兵庫県神戸市灘区に存在するのですが、その灘高校出身者であるtehu君が東大ではなく「慶應SFC行きます」となったときに、僕は衝撃を受けるとともに、単なる学歴主義社会が崩壊していく兆しを見たのでした。

 

ちなみに僕は高校受験時代、灘高校の数学を、過去問をいくら解いても「1問も」解けたことがありません。解く度になんかこう、鼻に姿の見えないインビジブルわさびが入っていって、脳神経を直接的にわさび的ショックで破壊していく感じがするんです。震えている間に時間が過ぎ、そして解答を見て絶望。悪魔だ、魂を悪魔に売ったやつしか解けない問題だ。

 

勉強なんてネットでできる。いくらでも。

インターネット型教育の台頭とか書きましたけれども、最近、ネットを使った教育が目覚ましい成長を遂げているのはご存知の方も多いでしょう。まるで雨後の筍、昭和の北九州の暴走族みたいに凄まじい勢いで増えております。

 

例えば、

ネッティー

ネット家庭教師のネッティー。全国どこでも家庭教師の授業がネットで受けられます。

 

当然授業は安くて、通常の家庭教師の半額くらいの値段。凄まじいですねえ。

中学生コース 中学1年生 中学2年生 中学3年生
週1回(月4回) 11,000円(11,880円) 12,000円(12,960円) 14,000円(15,120円)

 

スタディサプリ

980円でエグいクオリティの授業動画がテキストも含めて見放題という塾業界殲滅用アプリ。これで首都圏を中心に多くの塾長がストレスのあまり頭をぼりぼりとかきむしり、塾長全体の25%が著しく頭髪を損失するという事態が発生しています(フェルミ推定より算出)

 

実は、スタディサプリは僕も歴史の勉強をするのに使っています。これは本当にすごい。生徒への教え方を学ぶためでもあるし、TEDのようにプレゼン方法を学ぶみたいな意味でも使っています。

 

こんなにすごいサービスがバッコンバッコン出てきているわけだから、当然塾って厳しいんじゃない?とか言われるんですけど、

 

それでも、塾はなくならないのです。

 

塾という「場」は、コミュニティである

 

単純に知識を詰め込むだけならネットで安く済ませたほうが圧倒的にコスパが良いのですが、人間というのはかなり罪深い生き物で、ネットで学び放題のサービスを申し込んでもいつの間にかYouTubeでダウンタウンの昔の漫才とか見て「こんな時代ってあったんだなあ」とかTwitterでつぶやいたりして不毛な生活をおくるわけです。

 

そのまま1ヶ月使わずに月額使用料を普通に使ってしまい、「サーバー負担をかけないのにお金を定期的につぎ込んでくれる」という、真の意味の優良ユーザーとなってしまうわけです。

 

一言で言うと、そんなサービスだけで全員頭がよくなるのであれば全員灘高生なわけです。

 

自主自立の崇高な精神を備えた修行僧的スチューデントたちはスタディサプリ使って東大に行ってもらえれば家計的にもリクルート的にも万々歳なのですが、ビジネスの基本はコミュニケーションですし、人間社会の基本もコミュニケーションです。双方向的なやりとりがリアルに行われないと大半の人間は満足しないのです。

 

塾の意味はそうしたコミュニケーションにあると僕は思っています。

 

塾という「場」において、講師と「コミュニケーション」をとることにより、「モチベーション」を向上させ、その結果「勉強したくなる」。意欲向上させ続けることが塾の強みであり、価値なのだと思うのです。

 

学歴が高いだけでは価値はないけど、好きな学校を選べる学力は大事だよね

ブッフェにおいて、2種類食べ放題の庶民派コースと5億種類食べ放題の超上流階級プレミアムコース、どちらがいいですかと聞かれて2種類の庶民派コースを選ぶ人はいないと思います。好きなときにスイーツも、ステーキも、プッタネスカもストラッチャテッラもカドゥンブドゥ・キョフテも食べ放題な方が潰しが利きます。

 

北海道にある東オホーツク筋肉大学と京都にあるニャホニャホパルプンテ単科大学しか選べないよりも、東大も京大も阪大も早稲田も慶應も全国どこでも大学選べるほうがいいに決まっています。

 

そして、その選択権は、学力(≒偏差値)により広まります。

 

「学歴に意味がないから勉強しなくていいや」ではなく、「広い視野を持つためには学力が大事だから勉強するべき」なのです。勉強をしたがらない生徒は基本的に前者のような思考に陥りがちなので、優しく、時には無慈悲にこの現実を教えてやりたいものです。

 

宮崎には「先生芸人」と「人工知能」で伸びている塾があるよ

面白くて僕も絡んでいるので若干ステマ気味にはなりますが、レボキッズ・プロダクションという革命的な塾が宮崎にありまして。

 

ここは塾の意味を根本から変える、変態的企業です。

 

教えるのはほとんど「人工知能」にアウトソーシングさせて、先生はコーチングやモチベーション管理に徹するというやり方。先生に求めるのは「高い学歴」ではなく「面白さ」。

 

なんで学歴を求めないの?と代表に聞いたら「ぬーべーとかヤンクミとかGTOの鬼塚は勉強教えてないっすよね」とのこと。確かに。

 

芸人並に面白くて、ちゃんと自分を見てくれる。そんな信頼のおける先生だからこそ、塾に行きたくなるし、塾に行ったら勉強しちゃうんでしょうね。

 

レボキッズプロダクションの連絡先はこちら!

〒880ー0905

宮崎市中村西2丁目 2-41 3F 松田ビル
09054851496

※取材大歓迎!!

転職先はブラック企業第56話「糸が切れた後」

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集中力というものは、ギチギチに使いすぎるとプツンと糸が切れるようになくなることがある。張りつめていたものがなくなり、支えを失った操り人形のように膝から崩れ落ちる。そうなったら最後で、どうやっても起き上がることはできない。回復する方法は一つで、気が遠くなるほど眠るしかない。

 

サプリメントのコンサル案件をこなしているときに、それは起こった。パソコンを叩いているときに、いきなり横からガンと殴られたような感覚が襲い、しばらくぼうっとしていた。空を仰ぐように、天井の蛍光灯を見る。いくつもの蛍光灯が平行に、ずらりと並べられて、とても、明るくて、白い。すると蛍光灯がすらりと伸びて前後と連結し、さらに前後と連結して、巨大な蛍光灯になっていく……。

 

気がつくと15分も経っていた。周囲を見回すと、相変わらずいつもの面々が必死にExcelとにらめっこしている。大層なものだ。本当に、みんな、よく働くなあ……。

 

「しょうきち、アポだけど用意できたか」

 

はっとした。そうだ、今は月曜の朝10時。それも月初。コンサルのミーティングに行かないといけない。それなのに、それなのに。

 

「すみません、まだ終わっていなくて……」

 

「おい、お前何やってんだよ。さっきから見ていたけど、全然手が動いてなかったんだけどさ」

 

「すみません……」

 

結局、そのときは上司が全てしゃべり通した。僕は完全に、ダメ人間だった。

 

それからというもの、僕は仕事において恐ろしいほどに集中力を欠いた。なぜか、なぜか仕事ができないのだ。集中ができず、いつの間にか途方もない時間が経っている。

 

あと10分で出来ますと言った資料ができあがらない。それを謝罪しようにも、またか、というような雰囲気が怖くて謝罪できない。そっと提出すると、何でこんなに遅くなるんだと、当然のことで叱責される。

改善しよう、と思う。でも、できない。なぜか。

 

僕は周囲のため息にかこまれながら過ごした。のび太のことが頭をよぎる。あいつもこんな感じだったのだろうか。

 

辞めたい、逃げたい。今まで押し殺していた感情が、ついに押し寄せてきた。もう、だめかもしれない。新卒で入った会社を11ヶ月で辞めて、転職して入った会社も1年経たずに辞めるのか。ああ、人生終わったな。

 

その時、のび太のTwitterを思い出した。

 

「こんな会社、労働基準法違反じゃないか」

 

労働基準法……。そうか、労働基準監督署なら、僕らを助けてくれるかもしれない。監査に入ってもらえば、うちの労働条件も改善されるはずだ。土日に休めるし、日付が変わる前に帰れるようになるかもしれない。

 

僕は週末、勉強会という名の拘束から逃れた後、労働基準監督署へと向かった。

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